環状磁場閉じ込め型核融合プラズマ装置において、炉心から流出するプラズマの熱と粒子の制御を行うダイバータ板への熱粒子負荷を低減するために、プラズマと気体との相互作用によりダイバータ板の手前でプラズマを消滅させて「非接触プラズマ」を形成し、その空間構造や放射領域の位置を適切に制御することが核融合炉成立の重要課題のひとつとなっています。非接触プラズマの安定制御と核融合炉心プラズマとの両立の実現には、プラズマと中性ガスとの複雑な相互作用の理解が求められています。

GAMMA 10/PDXのミラー磁場配位と強力なプラズマ加熱によって生成される高温の端損失プラズマはダイバータへ流れ込むプラズマに匹敵することから、GAMMA 10/PDXの開放端磁場領域にダイバータ模擬実験モジュール(D-module)を導入し、特に、上述の「非接触プラズマ」の理解と制御を目的としたダイバータ模擬研究を行っています。

プラズマと中性粒子の極めて複雑な反応素過程やその空間分布をプラズマの挙動とも関連させながら、総合的に理解することが求められることから、D-moudle内外に多くの計測機器を設置し、プラズマの時空間的な変化を詳細に調べています。