論文掲載(Transient detachment dynamics induced by supersonic molecular beam injection and radio-frequency heating in GAMMA 10/PDX)

著者
Masayuki Yoshikawa, Kazuma Yoshida, Junko Kohagura, Naomichi Ezumi, Ryutaro Minami, Mafumi Hirata, Mizuki Sakamoto, Yoriko Shima, Yousuke Nakashima, Yuya Kudo, Yui Nagano, Satoshi Takahashi, Takuma Okamoto, Ryo Yasuhara, Ichihiro Yamada, Hisamichi Funaba, Naoki Kenmochi, Takashi Minami, Shinji Kobayashi, Hennie van der Meiden

掲載誌
Journal of Plasma Physics, Vol. 92, E119 (2026)

公開日
2026年8月16日受理、2026年9月23日オンライン公開

論文へのリンク
https://doi.org/10.1017/S002237782610230X

研究概要
筑波大学プラズマ研究センターのタンデムミラー型実験装置GAMMA 10/PDXにおいて、超音速分子ビーム入射(SMBI)と高周波加熱を組み合わせ、上流側からの摂動を受けた非接触プラズマの過渡的なダイナミクスを調査した。これらの手法により、ダイバータ模擬実験モジュールへ向かう間欠的な高密度プラズマ流束を生成し、パルス的な負荷条件下における非接触プラズマの安定性を制御された条件で評価した。実験の結果、非接触状態と部分再接触状態との間で急速な遷移が発生し、それに伴って電子密度およびイオン流束が大きく増加することが明らかとなった。マイクロ波干渉計測、トムソン散乱計測、高速度バルマー線イメージングなどの時間分解計測により、励起過程および再結合過程の時空間的な発展を詳細に捉えた。その結果、分子活性化再結合(MAR)に関連している可能性のある局所的な発光構造や、SMBIによる指向性をもった粒子供給に起因すると考えられる非対称なプラズマ変化が観測された。また、ダイバータ模擬実験モジュールにおいて応答の時間遅れが観測され、これはセントラルセルからの粒子流束が軸方向に有限の時間をかけて伝播していることを示している。これらの観測結果は、非接触プラズマが上流側からの粒子摂動に対して高い感受性を有することを示すとともに、過渡的な部分再接触の形成過程において分子過程が重要な役割を果たしている可能性を示唆している。本研究の成果は、ミラー装置を用いたダイバータ模擬実験における非接触プラズマ制御および過渡的プラズマ挙動の理解に新たな知見を提供するものである。