第6回PRCセミナーを開催しました

プラズマ研究センター大会議室にて、PRCセミナーを開催しました。第6回となる今回は、TECHMATION Group (台湾)のChief Technology Officer(CTO)であり、EEI (イタリア)のboard memberを務めるJerry Hsiung氏をお招きし、「EEI Powering Fusion: Delivering Advanced Power Supply Solutions for Next-Generation Fusion Research」というタイトルでご講演いただきました。

講演では、プラズマの生成・加熱から位置・形状制御、不安定性の抑制に至るまで、核融合実験が高度なパワーエレクトロニクスによって支えられていることが解説されました。核融合装置用の電源には、ミリ秒以下の高速応答、高精度かつ低リップルな大電流の供給、コイルに蓄積された巨大な磁気エネルギーの安全な管理、さらに複数のサブシステムを同時に動作させるための高度なシステム統合が求められることが紹介されました。

また、EEIが産業用の電源・制御技術を基盤として、CERNをはじめとする大型科学研究施設、さらに核融合研究へと事業を展開してきた歩みについても紹介いただきました。具体的な事例として、イタリア・パドヴァのRFXにおける磁場コイル用電源、JT-60SAおよびDTTにおける誤差磁場補正コイル(EFCC)用電源、JT-60SAにおける抵抗性壁モード(RWM)制御用電源などが取り上げられました。SiCパワー半導体やFPGA・DSPを活用した高速制御技術をはじめ、研究上の要求を信頼性と保守性に優れた実機システムへと結び付ける、システムエンジニアリングとカスタマイズ技術の重要性について学ぶ機会となりました。

セミナー当日は英語による講演でしたが、教員に加えて多くの学生が参加し、核融合研究を支える産業技術の実例に終始積極的に耳を傾けていました。プラズマ物理の研究成果を実際の実験装置として実現するためには、電源技術だけでなく、制御、保護、熱設計、試験および保守性までを含めた総合的な工学技術が不可欠であることを、実機開発の経験に基づいて理解する貴重な機会となりました。

本セミナーを通じて、次世代核融合研究を発展させる上で、研究機関と産業界がそれぞれの知見を共有し、緊密に連携することの重要性を改めて認識しました。今回の交流が、今後の研究交流や共同研究のさらなる発展につながることが期待されます。

Jerry Hsiung氏による第4回PRCセミナーの様子
第4回PRCセミナーを聴講する教員と学生