電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH)装置
電子のサイクロトロン周波数に共鳴する周波数の大電力マイクロ波により、電子温度加熱、プラズマ閉じ込め電位の形成を行います。マイクロ波発振装置として、ジャイロトロンという大型電子管が使用されます。上方左図は、現在ガンマ10装置で使用されている周波数28GHz、出力500kWのジャイロトロンと,マイクロ波をコルゲー ト導波管に効率よく結合させるためのビーム整合器です。上方右図は、新たに開発を行っている28GHz-1MWジャイロトロンです。
高周波加熱装置(ICRF)
イオンが磁力線に巻き付いて旋回運動をする周波数と等しい周波数の高周波電場により,イオンは強く加熱されます。この高周波はラジオ波領域(MHz帯)にあります。写真は,真空容器中のプラズマを取り巻く2種類(ICRF1,ICRF2)のアンテナです。高周波電流を流してプラズマ中に電磁波を励起します。プラズマ圧力を測定する反磁性ループが近くに設置されています。
中性粒子ビーム入射加熱装置(NBI)
本加熱装置は,数10keVのエネルギーの中性水素原子ビームをプラズマに注入して,プラズマイオンと高速の中性原子の間で電子を受け渡すことにより,イオンを高エネルギーのものに交換してプラズマを加熱します。ガンマ10では,セントラル部の密度・温度上昇やアンカー部の高ベータイオン生成に使用されます。また,サーマルバリア/プラグ部においては,イオンの二山分布(スロッシング分布)を形成するためや,閉じ込め電位を長時間維持するためにも使用されます。
ペレット入射装置
φ0.33, 0.58, 0.79, 0.99 mmの4種類の直径をもつペレット(水素の氷の弾)を速度500~1000 m/sで撃ちだすことが可能です。セントラル部直下からプラズマ中に入射することが可能です。φ0.79 mmのペレット1発でプラズマ密度を通常の2×1018 m-3から5倍以上の密度に上昇させることが可能です。(上図:ペレット概略図及びペレットのシャドウグラフ)