イオンは磁力線に巻きつくような運動(ジャイロ運動)をする事を利用して、磁力線を横切る方向(径方向)に閉じ込めています。しかし、イオンと電子はそれぞれ正と負の電荷を持っているので、イオンが電子とクーロン二対衝突をする事によって磁力線を横切る方向に拡散が発生し、これを古典拡散と言います。ところでプラズマを閉じ込める為に磁力線は一般的に曲率を持っています。この曲率を持っている磁力線上を運動するイオンや電子はドリフト運動をして磁力線を横切っていきます。このときイオン同士がクーロン二対衝突をすると古典拡散に比べて格段に大きな拡散が発生して、これを新古典拡散と言います。GAMMA10 磁場形状での新古典拡散を理論的に計算して、実験データと比較した結果を下図に示しています。新古典拡散は径方向電場に依存するので横軸に径方向電場を制御するエンドプレートの電気抵抗をとり、縦軸に新古典拡散による径方向のイオンの閉じ込め時間をとっています。実線が新古典拡散の理論的な計算結果で、誤差バーの付いたが実験データです。両者は非常に良く一致している事が分かります。

→前のページに戻る