中期目標・中期計画

プラズマ研究センターの第2期から3期にかけての中期目標・中期計画

筑波大学 第2期中期目標・計画(平成22年3月31日認可)において、本センターが取り組んでいる双方向型共同研究(全国の大学が本センターの共同研究に実質的に参加可能な枠組み)に対して、「双方向型共同研究等の新しい取り組みを積極的に推進する。」との基本計画が策定され、第3期においても、双方向型共同研究は、大学における中期目標・計画に明確に掲げられ、それに沿って、本センターは筑波大学が認めた共同利用・共同研究施設として大学の積極的な支援を得ています。

文科省の下、策定された「核融合研究ワーキンググループ報告」(平成15年1月)に示された核融合研究のグランドデザイン(重点化と効率化)の理念のもと、平成16年度から、大学共同利用機関自然科学研究機構・核融合科学研究所の共同研究の枠組みを活用し、京大、九大、阪大の核融合関係センターととも に、双方向型共同研究を開始し、各センターが実質的な共同利用・共同研究施設として活動可能となりました。この双方向型共同研究の第1期中期計画期間において、先の4センターだけでなく、この共同研究を通して、全国の大学のプラズマ・核融合研究が活発化され、大きな成果を挙げることができました。第2期以降では、この枠組みをさらに効率的に活用した共同研究の取り組みを行うべく、参加センターの特長を活かした連携研究や工学課題も積極的に取り上げる方針でスタートしています。

第1期では、磁場閉じ込めに普遍的なテーマであるドリフト型揺動の抑制による閉じ込め(輸送)改善を取り上げ、開放端系の特長である能動的な電位/電場制御を活かして、電場構造と揺動の相関、粒子輸送と揺動の相関等を調べ、ECHによる電位/電場制御に伴う揺動抑制とプラズマの異常輸送の抑制を観測 するとともに、電場/電場構造との関係についての研究を行いました。また、その制御ツールであるECH用ジャイロトロンの開発でも世界的な成果を挙げることができました。これらの成果は、国内外の学会、国際会議に於いて発表され、高い評価を得ています。また、2010年のIAEA核融合エネルギー国際会議においても発表されました。

第2期に入って、ITERの建設や、トカマク/ヘリカル型の原型炉を視野に入れた研究を進める段階であることから、核融合研究の緊急かつ最重要課題に取り組むべく、その課題として「数億度の高性能コア・プラズマと常温壁の両立」を基本テーマに据えました。開放端を活かした「電位・電場の制御」、「高熱、粒子束」を活用し、「コア・プラズマの輸送制御」と「境界プラズマ模擬によるダイバータプラズマ輸送制御」の2つを主研究テーマにとりあげ、先の「数億度の高性能コア・プラズマと常温壁の両立」を目指したプラズマ理工学研究に取り組みました。そのために、世界最大のタンデムミラーである現状のGAMMA 10装置を、有効に活用するとともに、新しいテーマである境界プラズマ研究がより効果的に実施できるように、装置に大きな改造を行いました。それは開放端部での熱・粒子束研究が、より効率的にできるように本体西側エンド部に大幅な改造を施し、ダイバータ模擬研究の為の研究領域を新たに構築しました。この改造によって、GAMMA 10は新たにGAMMA 10/PDX(PDXはPotential-Divertor-eXperimentの略称)として生まれ変わりました。その結果、端部における高熱流プラズマ束生成実験においてITERダイバータ板の熱負荷10MW/m2を大幅に上回る熱流の発生に成功し、新たに構築したダイバータ模擬実験モジュールを用いた実験では、高温トカマクの周辺部プラズマ(SOLプラズマ)に匹敵する高温プラズマ流を非接触状態に保つ実験に初めて成功しました。また、ジャイロトロン開発研究でもMW級高出力発振管の開発が順調に進捗し、核融合科学研究所や九州大学との共同研究の元に大型ヘリカル装置LHDにおける電子温度プラズマ加熱や球状トカマク装置QUESTにおける電流駆動実験など大きな成果を上げました。第2期では、このように新たな研究の展開によって双方向型共同研究も大幅に拡大し、第1期において10数件であった共同研究の課題が年と共に拡大し、第3期に入った平成29年度では30件を超えるまでになりました。以上の研究成果は、2012年、2014年、2016年のIAEA核融合エネルギー国際会議で連続して発表され、一部はサマリーセッションで取り上げられる等、世界で高く評価されています。また、大学のもう一つの大きな使命であります人材育成・教育についても、これらの研究に学生・若手研究者を積極的に参加させ、また、双方向型共同研究により広く全国からの若手を参加させることにより、センターのこれまでの優れた研究者の輩出実績をさらに向上させて行きたいと思っております。

以上の研究を更に深化・発展させることを目指して、第3期中期計画期間中において、新しい装置の建設とそれを用いた新たな研究の展開を図ります。また、制御ツールであるジャイロトロンの開発研究においても世界に貢献する成果を目指します。このように、野心的な開発を行う事になり、大きな困難もともないますが、センターのスタッフ一同、最善を尽くす所存でありますので、みなさんのご支援、ご鞭撻をお願いする次第であります。